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子供


           高村 光太郎

          下 駄

地面と敷居と塩せんべいの箱とだけがみえる

せまい従来でとまった電車の窓からみると

何といふみそぼらしい汚らしいせんべ屋だが

その敷居の前に脱ぎすてた下駄が三足

その中に赤い鼻緒の

買ひ立ての小さい豆下駄が一足

きちんと大事そうに揃へてある

それへ冬の朝日が暖かさうにあたってゐる

____________________________

高村さんの、子供という存在に対する愛情が伺われる。

私も子供が大好きです。

昔、恋人がいました。

彼女は子供が嫌いで、結婚しても絶対に子供は生まないと

いつも言っていました。

両親に虐待を受けていたそうで、もし自分が子供を生んでも

かならず酷い虐待をすることは、避けられないから・・・と

いつか、そんな考えも変わってくれないだろうか?と

期待していたのですが、報われることなく別れてしまいました。

そんな彼女とドライブをしていたとき、川原の土手沿いに車を

止めて、話をしていたのですが、そこから古い家並みの路地が

見えて、そこに2歳ぐらいの少年がヨチヨチと歩いていました。

あまりの可愛い光景に、涙ぐんでしまいました。

果たせぬ夢の一つのように、感じたからかも知れません。

果たせぬ夢は、そのまま夢と終わってしまう年齢となりました。

今でも、テレビなどで子供が泣いている場面が映りますと

思わず涙ぐんでしまいます。

# by deeploving | 2006-06-09 16:13

動物園


              高村 光太郎

    ぼろぼろな駝鳥

何が面白くて駝鳥を飼ふのだ。

動物園の4坪半のぬかるみの中では

脚が大股過ぎるぢやないか

頸があんまり長過ぎるぢやないか

雪の降る国にこれでは羽がぼろぼろ過ぎるぢやないか

腹がへるから堅パンも食らふだらうが

駝鳥の眼は遠くばかり見てゐるぢやないか

身も世もない様に燃えてゐるぢやないか

瑠璃色の風が今にも吹いて来るのを待ちかまへてゐるぢやないか

あの小さな素朴な頭が無辺大の夢で逆まいてゐるぢやないか

これはもう駝鳥ぢやないぢやないか

人間よ

もう止せ、こんな事は


________________________________

子供の頃、ジョン・ウェインの「ハタリ!」と、いう映画をテレビで見た。

アフリカで、動物を捕獲する危険なしごとや、ペットだったか、登場する

子像が可愛くて、楽しい映画の印象をもっていた。

数十年経ってから、この映画を見る機会があった。

各国の動物園からの依頼を受けて、動物を狩って、輸送するのが

彼らの仕事であった。

とても残酷に映り、愚かな行為に思えて、かなり印象の悪い映画となった。

子供たちに、教育のためと称し、実物を飼育している動物園や水族館。

私は好まない。

小さな水槽で、大きな魚を名物にしていたり、自然の環境で放し飼いに

していても、生まれ育った環境とは全く違う。

魚や動物を担当している飼育係りは、ほんとうに動物や魚を愛しているのか

疑問に思うことがある。

この詩は、そんな私にピッタリだと思い、好んでいる詩です。

# by deeploving | 2006-06-06 12:34

ハイネ


瞳はまるで碧い菫


瞳はまるで碧い菫

頬はまるで紅い薔薇

手はまるで白百合の花

どの花も競うて咲いていた

しかし・・・こころは腐っていた


_______________


愛を語る詩人、ハイネの詩です。

現身の美しさを称え、読むものをウットリとさせておきながら
落語の落ちのようなラストに、思わず笑ってしまいました。

中学生の頃に、この詩と出会いました。
長らく忘れていましたが、大人になって
色々恋などもしますと、このようなことを
実感することもあるものです。

一目惚れなどは、このように感じることが多いのは
しかたのないこですね。

自分の美しさを自覚していて、後は教養などもある方も
おられますが、異性に対しては、もてはやされて育った
環境から養われた、独特の感性があるように思います。

男心の取り扱いにかけては、教授なみの研究をされた
ように思えるほど、上手な方が多いようです。

でも、いくら美しくて、教養を兼ね備えていたとしても
心が腐っていたのでは・・・


# by deeploving | 2006-06-02 11:40

トップ絵


げに意味深いかな

神が著作家たらんとしたとき

まずギリシャ語を学び

しかも平人以上によくは学ばなかった

            ニーチェ
________________

この絵は、クリムトの「ダナエ」です。

ギリシャ神話をモチーフに描かれました。

ギリシャ神話からは、当時の奔放な空気が感じられ

全能の神ゼウスの行動は、まったくどうしようもなく

男の欲望に満ちていて、本能の赴くままに語られています。

いい女を見つけると、妊娠させてしまうゼウス

処女ダナエに目をつけてしまいます。

家族はゼウスの手を逃れるために、彼女を地下に閉じ込めてしまいます。

全能の神ゼウスに不可能はありません。

黄金に輝く光となって、彼女の体内に入り込み

見事、妊娠させてしまうのです。

その逸話を描いたのがこの絵です。

ったく、ゼウスって

単純で馬鹿でスケベで、男そのものです><


# by deeploving | 2006-05-30 14:30

はじめます

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バイロンの詩集より

想いおこさすな

思い出を、呼びおこすまでもない
あの懐かしい、過ぎた時を
わが心のすべてが君にそそがれた時を
私がわすれることはないのだ・・・
二人の生命の力を「時」がうばって
君と私が、世にいなくなる日まで

私は忘れぬ・・・君も忘れないであろう
黄金色の君の髪をなぶったとき
君の胸がときめいて、早く打ったのを
おお、魂にかけて、いまも君の姿が見える
ものうげな眸、ま白な胸
ものをいわぬが、恋をささやく唇

このように、私の胸にもたれて
あの眸は、やさしい光を私にかえした
想いの火を、なかば咎め、なかばかきたて
ふたりは、いよいよひしと身を寄せ
唇は熱く燃え、いよいよ迫り
接吻のうちに、息絶えようとした

そのとき、あの愁わしい眼はとざされ
瞼はしずかに重なりあい
その下に、青い瞳をおおいかくし
ながい睫毛の黒々としたかがよいは
君のつややかな頬にしのび寄り
白雪のうえの鴉の羽のようであった

昨夜の夜、恋がよみがえったのを夢みた
まことは幻だったが、ひとしお甘美であった
君ならぬ人のために胸を燃やし
君のものほどにはかがやかぬ眸を恋し
現実の陶酔にくるう時よりもなお

あの時は、永久に去ってしまったが
いまもなお、うるわしい夢はたち浮かぶ
想い出を、呼びおこすまでもない
やがて、君も私も世に忘れはてられ
ふたりのはかない生命をものがたりながら
崩れてゆく石のように、心ない存在となるまで

__________________________________

たいていの人には、忘れえぬ想い出があると思う。

だが、私は過去を振り返るのが嫌いだった。

今と明日だけで十分だと考え、アルバムなども見なくなり
写真も撮らなくなって行った。

今もそれは変わりはしないが、知らずうちに感傷に浸っているときがある。
歳のせいなのかな~と、少し暗くなる・・・

このブログのタイトルは、今現在わたしの頭から離れないフレーズです。
モンパチの、あ~~な~~た~~にぃ~、会いたくてぇ~~会いたくてぇ~~♪
「あなたに」と、いう曲のこの部分がグルグル回ってます。


# by deeploving | 2006-05-21 10:48